支援とは何か
長くグリーンローズホームページのブログに手をつけないできました。もし読まれてこられた方がおりましたら、深くお詫び申し上げます。令和4年1月以降、全く手を入れないまま過ごしてきました。しかし、その間にもたくさんの出来事があり、書きたいこともいっぱいありました。しかし、なぜ手をつけられなかったのかは、令和4年が社会福祉法人グリーンローズ創立50周年ということもあり、そのためなかなか手をつけられなかったことが挙げられますが、自己弁護のようにも思われますが、この間の状況を少しだけ振り返ってみたいと思います。
平成18年頃から、社会福祉事業制度の大きな変換期を迎えました。その大きな揺籃を経て、平成25年頃におおよその姿が固まりつつありました。しかし、それが令和にまたがって社会福祉事業の更なる揺籃を生み出したと言っていいのではないでしょうか。「障害」のある人々の生活、支援を必要とする子どもたちへの制度の整備は必須だったと思われますが、新しいものを作っていく産みの苦しみは今も続いているように思えてなりません。
私達社会福祉法人グリーンローズは、創設者片桐格先生の理念のもとに作られ、運営されてきましたが、基本的な考えは変わっていないと思います。それは「共に生きる」という一言に尽きると考えています。この世界に生まれ、たとえば「障害」があっても無くても「共に生きる」、子どもたちにおいても発達や身体に支援を必要とする子どもも、そうでない子どもも「共に生きる」これが求める世界、今も変わっていないと確信しています。
社会福祉法人グリーンローズ支援部は、様々な家族、特に支援を必要とする子どもたちを持った家族とその子どもたちを支援してきたと思っています。ところで、私たちは何を支援してきたのでしょうか。私たちは長い時間をかけて、子どもたちの成長・発達がよりすみやかにいくように、多くの実践や技術などを学び手に入れてきたことは確かです。子どもたちの成長・発達についての研究などについても学んできました。保育の技術、また学校との連携、言語へのかかわり(言語聴覚士)、運動への関わり(理学療法士・作業療法士)、心理的なものへの関わり(心理療法士)等々。それでも、私たちは子どもの何を支援しているのだろうかという疑問は次々に浮かんできます。
私はひとつの提案をしたいと思います。それはごくあたりまえのことで提案などというとおこがましい感じになってしまいます。でも、あえて私は次のように言いたいのです。「子どもと出会えておりますか?」と。これは、私たち支援をする立場の人間だけではなく、すべての子どもと関わる人々に問いたいのです。私たちは子どもたちが多くの人と出会うための支援をしているのではないか、と思うからです。そして元気に生きていけるように支援する、それは様々な人と出会うことが何よりのことだと思うからです。
お母さんの手の中でこちらを見ている子どもたち、お父さんに手を引かれてこちらを見ている子どもたち、その目の中にどんなものが見え、どんなことを考えているか、想像するだけでワクワクしませんか。もちろん人がなかなか入りにくい子どもたちも、特定のものに惹かれる眼差しもあるかもしれません。でも、ここに会いたい人がいますよ、と時間をかけて「出会う」こと、目が向かうことなどが基本的な支援と私は考えています。
新しい制度が、こうしたことをしっかりと包摂した制度であることを強く願っています。
次回は、できるだけ早く片桐格先生に出会い、そこに惹きつけられ、子どもたちに惹きつけられ、今日まで過ごしてきてしまった自分について思いを巡らしたいと考えています。