きこえとことばの支援
グリーンローズの「きこえとことばの相談と支援」は、1967年(昭和42年)に、ルーテル愛児幼稚園内に開設した「ことば」の教室(昭和47年、社会福祉法人のグリーンローズ「ことば」の教室)、そして、昭和50年 難聴幼児通園施設として出発したオリブ園を基盤とした支援体制の中で、難聴の子どもたちへの一貫した援助を行ってきました。
その対象も、それまでの就学までの幼児対象から、2010年4月には、就学児童のための「きこえとことばの支援」を行う児童デイサービス「インクル」を加えて、乳幼児から就学児までの幼少期を一貫して支援しております。
きこえ(難聴)
ことばを生活に根ざしたものとして捉えて、そこに中心をすえて、難聴の子どもたちの支援を考え、行っております。 聴力の管理・補聴器の管理では、耳鼻科のお医者さん、補聴器を扱う事業者さんとの連携によって行っております。
補聴器の進歩は、社会の動向と同様に、テクノロジーの急速な進歩に伴って、目覚ましいものがあります。
従来のものと比べると、完全デジタル補聴器、FM補聴器も、実用性が一段と改善され、一部の子どもたちにとっては朗報でした。最近は、高度重度難聴用デジタル補聴器も開発・発売されております。しかし、高額なものなので、低価格化、身障手帳を保持していない補聴器が必要な子どもに、さらなる助成のための福祉施策をお願いしたいと考えております。
●聴力検査・聴覚管理・補聴器 | 子どもさんによっては、聴力の低下がおきやすいので、聴覚管理・聴力検査は必須です。また、補聴器の調整・管理も行います。 |
●難聴支援 | 補聴器をつけた子どもたちについての聴覚学習を行っています。 |
●個別支援 | 子どもの聴力や学習の段階によっての個別学習が基本です。 個別の1対1の学習と、同一敷地内にある保育園・幼稚園に出向いて生活の中での支援(インクラス) も行っています。 |
●グループ(集団)支援 | 社会性やコミュニケーションの成長のためのグループ学習の時間も設けています。 グループは、年齢によって構成していますが異年齢で、補聴器をつけた子ども同士の出会いの積み重ねも大切と考えています。また、家族学習としても大切な時間と考えています。 |
ことば
グリーンローズの「ことばの発達についての支援」は、昭和42年に開設した「ことば」の教室以来、長い歴史の中で、その対応比率も高く、これまでさまざまな試みを行って来ています。
「障がい」別療育、段階別療育などの試み、行動療法の導入、あるいは、さまざまな「訓練」なども試みてきました。
そして、現在の対応方針は、「生活を豊かに生きることの援助」を、その中心に据えています。
子どもを訓練するのではなく、「子どもの心や世界を理解し支援して行こう」という考え方は、世界の趨勢(すいせい)でもあります。その中で、子ども同士のやりとりを育て、豊かに生きていくことの中に、「療育」の姿があると考えて、支援を行っております。
●集団支援(母子グループ) | 支援の形態は、グループ中心で 主に低年齢で「通園頻度の高いグループ」と、家族(母親)支援を中心として、「週1回・1学期を1クールとした短期療育グループ」に分けて行いますが、年度半ばより、短い個別対応も行いながら、言語発達の細かいチェックを行います。 |
(乳幼児期早期のグループ) | 子どもに最も近い養育者との豊かなやりとりを基本にしています。 最初の出会いとしてのグループとして、様々な不安や困ったことなどへの対応をめぐって、家族の方たちと一緒に学びます。その中で子どもたちの気持ちや心を理解していき、少しでも、家族全体の生活が豊かになっていければと思っています。 |
●個別支援 | 個別支援のニーズは増加する一方です。 これは全国的な傾向で、ますます高まってくることが予想されます。個別支援は、子どもの「発達」支援だけでなく、子どもを取り巻く環境(幼稚園・保育園・家族・地域)への働きかけの支援を含めて行っています。こうした個別支援の内容の質的な吟味が、今後の課題となるでしょう。 |
スピーチ
スピーチに関する相談や支援数は、比率的には少数ですが、依然としてあります。
●口蓋裂の問題 | 以前は、そのケアを他の県に依存しなければならないという歴史的に困難性をもっておりましたが、現在は、秋田大学医学部口腔外科や日赤病院形成外科による対応によって、遠くまで出掛ける困難から解放されております。
口蓋裂の子どもの構音だけでなく「ことば」の問題として、捉えていくことが必要と考えております。 |
●機能的構音障害 | その多くは、構音の問題のみならず、運動発達の微妙な協調性のまずさなど指摘されていましたが、オリブ園では、「チャレンジ教室」(運動教室)との連携を行いながら、ゆっくりとした子どもの成長を見守る方向で支援を行っております。 |